自主学習がメイン

勉強の大部分は自宅でひとりきりで行うことになるので、やる気が足りなかったり積極性に欠けるようだと単位を取得することができません。 全日制の高校なら授業に出席していれば、その間何をしていても問題になりません。 机に伏して睡眠していようが、教科書を隠れ蓑にしてお弁当を食べていようが、机の後ろでスクワットをしていようが、 教師にばれなければその時間ちゃんと授業を受けたとみなされるのでちょろいもんです。 しっかり授業内容を吸収しなければ意味はないのですが、試験さえ乗り切れれば単位の取得はそれほど困難ではありません。 授業を受けた証明のほとんどは出席の時に返事をすることだけなので、そこさえ上手に返答できれば残りの時間はフリーダムともいえます。 ですが通信制の場合、出席はとりませんが自宅学習してその成果を提出することになるので、さぼることは一切不可能です。 指定された時間に授業を受けなくてもいいかわりに、自分で時間を作ってレポートを作成しないといけないのです。 なんとなく平日に毎日通学していれば卒業できる普通の高校よりも、本人にはやる気が求められることになるでしょう。 やる気が起きない、そんな調子でずっと自宅でのレポートを放置していたら単位は絶対に取れませんので卒業もできません。 さぼるのも簡単な環境なことはデメリットですね。

人との接点が希薄

毎日通学しなくてもいいので、人と話をする機会が他のスクールと比較すると大幅に少ないことが通信制の特徴となっています。 週に1回しか登校しなくてあとは自宅で勉強する、そのようなスケジュールで3年間以上生活するのですから人付き合いも上達しないし友達も増えません。 在学中は一切の接触が絶たれるわけではありませんが、全日制高校や中学と比べると極端に少ないので、親しい友人や顔見知りができにくい、それがデメリットです。 ですが人によっては「それはメリットだよ、煩わしい人間関係に悩まされる心配がないなんで望むところさ、はっはっは」と言い切るかもしれないので、 完全に不利な事柄ではないのかもしれません。 人と接するのが苦手で通信制高校に通いなおす生徒もいますし、メリットと捉えるかデメリットとなるかは人それぞれなのです。 またこの点を深く考え、どの程度の接触を求めるかによってスクールを決める人も中にはいるかもしれません。 週に3日の登校、月に2回の登校などスクールごとに決められているので、人との触れあいを求めるのなら登校日の多いスクールを選んだり、 逆に誰とも話をしたくないのであれば登校日の極力少ないスクールを探すこともできます。 ただどのような通信制高校でも全日制よりかは人との接点が少なくなるでしょうから、そこはご理解して下さい。

定時制との違い

通信制高校のメリットとデメリットを解説しましたが、じゃあ定時制高校とはどう違うの、と思った人も出てきたかもしれません。 全日制は平日の昼間に毎日登校して授業を受ける、通信制はそれを郵便やインターネットを利用して行う、これは理解できたかと思います。 定時制はどのように授業を受けるのか、それは主に昼間ではなく夜間登校して授業を受ける形態となります。 昼間は学校に通う時間がないけど夜なら大丈夫だよ、といった生徒がメインで、明るいうちはアルバイトをしていたり普通に働いている方を対象にしています。 全日制の時間帯が違うバージョン、というわけではありませんが大雑把にはそう解釈してもらえばいいでしょう。 ただ普通の一般の生徒なら全日制に通いますし、通信制のように特殊な事情を持つ生徒がほとんどとなります。 在籍している生徒の平均年齢も全日制よりも高い傾向にあり、そちらを退学して働き始めたけどやっぱり登校卒業の資格が欲しい、といった人が多そうです。 1日の授業時間は夜間と言うこともあり短めで、その分卒業に必要な単位を取得するまでの年数が長くなっています。 通信制高校のメリット・デメリットを知ったうえで、もしも自分に合わなさそうなら定時制も選択肢に加えてみるといいでしょう。